営業していると、成約になりそうなのにずるずる長引く案件や、断られるのが嫌で強くクロージングできていない案件等、白黒はっきりつかない案件に気持ちが揺さぶられ落ち着かない日々を過ごしてしまうことありませんか?
私はクロージングが下手で、いつも見積もりを出しただけで安心してしまったり、仕事終わった感があったりして、結局何も決まらない・・・ということが多々ありました。
今回の記事では、勝手にこっちが成約になると思って期待してしまって、結果成約に至らないことが多い、そんな見込み度合いの判断を間違える人、見込み違いをしてしまう人、そして何より見積もり提出をしてからクロージングの仕方がわからない人が一気に見込み管理の達人、クロージングの達人になれる必須4項目と実際のトーク例、そして反対処理(応酬話法)のトーク例を紹介します。
この記事を最後まで読んで、実践してくだされば見込みの確度を高め、成約率を上げることができるようになります。
見込み管理はこの4項目だけ!
見込み何%ってよく言われるけど、%とかわからないんですが??
数値化できるものですか?
はっきりいって見込み度合いを%で表現するのは不可能でしょう。
よほど特殊な能力、例えば人の頭の上に数値が見えるような能力があれば別ですが。
ではどうやって、「〇〇%なん!?」と詰めてくる上司を納得させる
正確な見込み度合いを把握すれば良いのでしょうか?
その方法は以下の4つの項目を埋めることです。
いわゆるBANTと呼ばれる4項目です。
- Budget(予算)
- Authority(決裁権)
- Needs(ニーズ)
- Timeframe(導入時期)
読みやすいのでBANTの順番で並んでいますが、実際に営業では下記の順番で使います。
- ニーズ喚起ができているか?
- 決定権者に会えているか?
- 値段・予算がつかめているか?
- 時期はいつから始めるか
この4項目を全てクリアにすることで、ほぼクロージングは終わります。
それでは一つずつ詳細と実際のトーク例を見ていきましょう。
ニーズ喚起ができているか?
保険でも証券でも自動車でも不動産でも服屋でも、とにかくビジネスの基本は需要に対して供給することです。
需要がはっきりとわかっている商品であれば用意するだけで売れます。スーパーで食料品を買うときにマンツーマンの営業や提案は受けないですよね。品揃えや陳列方法というマーケティングだけで売り場は構成されています。
医療保険であれば、お客様のニーズが【何歳からでも加入できて、病気があっても入れる、保障は手厚く、保険料は月1,500円!!】といったものがあればじゃんじゃん売れるかもしれませんし、不動産であれば【駅近だけど閑静な住宅街、治安が良くて、コンビニやスーパーも目の前。ネット環境と駐車場がついて、月3万円!!】なんていう物件であれば即入居確定でしょう。
でも実際は【保険の加入を考えていない人に保険を勧める】、【家の購入を悩んでいる人に売りたい家を売る】というのが営業の仕事です。いかにニーズの見える化ができるかと、自社の商品がそれを解決できるかということを提案しなければなりません。
ニーズ喚起は未来を創造させること
ニーズ喚起で最も重要なことは未来を創造させることです。
生命保険であれば、近い将来、万が一働けなくなってしまったら、あるいはご家族だけ残すことになってしまったら、 をイメージさせることが大切でしょうし、不動産なら、【この家に住めばこんな素敵な暮らし始まり、将来こんな生活ができているようになる。】 といったことをイメージさせなければ成約にはいたりません。
では具体的にどのように話をすれば伝わるのかをお話します。
過去・現在・未来の順番でYESを取っていく。
営業ではYESをもらっていくと、成約になりやすいと言われています。
これも手法があり、【過去・現在・未来】の順番で話をしていくのです。
例えば、
今までは独身でらっしゃったので、あまり保険のことはお考えになる機会はなかったということですね。
現在はご結婚をされて万が一に備えて、ご自身が働けなくなった時や奥様のことを考えられて保険についてお考えでいらっしゃると。
もしお子様ができたり、ご自宅の購入をされるとなると、そのあたりも含めてご検討の必要がありますが、将来は持ち家等ご希望されていますか?
上記はほんの一例ですが、ぜひご自身の商品に置き換えてスクリプトをイメージしてください。
決定権者に会えているか?
これは文字通りです。
法人であれば社長なのか、会長なのか、はたまた保険や証券は税理士が管理している、なんて言われることもよくあります。
保険は社長の個人と含めて奥様が管理されているということもありますね。
ここは相手の立場を尊重しながらきちんと確認すると良いでしょう。
また、保険について税理士が管理していると言われた場合は遠慮なく、我々は保険のプロであり、社長のリスクに対応できると、自信を持って発言しましょう。
なぜなら、実際社長や会社に何かあった場合、実際にお金の面で手を差し伸べることができるのは保険であり、それを今まさに提案できるのは我々営業マンだからです。
このあたりについては、別の記事、【4つの自信と一つの愛】をご参照ください。
値段は予算ではなく値ごろ感
バジェット(予算)と表現されることが多いですが、実際は【値ごろ感】ととらえるのが良いでしょう。
実際、世の中にある商品のほとんどは、このターゲットに対して、この価値を、この価格で提供する、ということが詳細なマーケティングによって決定されています。
ということは、法人であれば事業内容と事業規模、個人であれば年齢、家族構成、収入といった諸条件がほぼ一緒である場合、使えるであろう予算はマーケティング上は実際そんなに大きく変わらないのです。
では何かというと、それは決定権者の値ごろ感なのです。
ニーズの項目できちんと価値を感じていただければ、あとはその人の価値観をいかに理解するかが大切です。
同じ会社で同じ役職、2人とも4人家族の場合でも1万円のとらえ方は異なるのです。
値ごろ感さえつかむことができれば、ほぼ同じ機能で値ごろ感にあった提案や不要な機能を省くことで一人一人に合わせた(まるで合わせたような)提案ができるようになります。
時期
これが最も大切で、クロージングが苦手な人がついつい後回しにしてしまう項目です。
逆に言えば【時期を制する者は営業を制する】といっても過言ではないでしょう。
時期を制するために使う仮クロージング
営業の本やWEBサイトでよく使われている仮クロージング。
確かに効果があり、ついつい使ってしまうのですが、仮クロージングは適切な状況でなければ全く効果がなく、むしろ逆効果になることもあります。
なぜなら、法人の社長の場合など特にご本人も商談のプロであり、仮クロージングにきたな?とおそらくバレてしまうからです。
ですので、仮クロージングを行う際は必ず上記の3つが確定してからにしましょう。
例えば保険の営業の場合なら以下の順番です。
では、保障内容につきましては、今ご説明させて頂いた通りですが、何かご不明な点はございますでしょうか?【ニーズ】
大丈夫です。
ありがとうございます。ではこちらのプランですと、金額が〇〇円でございます。お支払いは銀行引き落としですと毎月25日に口座からお引き落としされます。
金額やお支払い方法につきましてご不明な点やご要望はございますでしょうか?
*あえて支払い方法を提示することで仮クロージングの一歩めを踏み出し、さらに【金額】の部分に集中させすぎないというメリットもあります。
カード払いはできますか?
はい、可能でございます。お支払いのカードはお決まりでいらっしゃいますか?カード払いですと、翌月のカードのお引き落とし時に合わせて決済されますが、お引き落としを開始されるのにご都合のよろしいタイミングはございますか?
ときにはこちらからスタートのタイミングを促してあげると良いでしょう。
おすすめはキリの良い、12月1日からスタートをして・・・
このように1つずつ丁寧に確認をしていき、お客様の言葉からさりげなく日程の調整に入っていくことが望ましいです。
また、保険でも不動産でもスタートをする日が決まれば、きちんと成約の日を同じ要領で決めていきましょう。
特にキリの良い日が近くになければ「大安」などを指定するのことも良いでしょう。
まとめ
営業の見込み管理とクロージングに大切な確認事項BANTは4つ。
- Budget(予算)
- Authority(決裁権)
- Needs(ニーズ)
- Timeframe(導入時期)
順番は以下の通りすすめなければなりません。
- ①Needs(ニーズ)
- ②Authority(決裁権)
- ③Budget(予算)
- ④Timeframe(導入時期)
注意する点
- 予算は値ごろ感(=お客様のお金に対する価値観のこと)
- 仮クロージングはニーズ・決定権者・予算が見えてから
- 時期はこちらからキリの良い日を促してあげる方が決まりやすい
以上のことを実践し、お客様ごとに4項目、どこまですすんでいるかで見込み管理表を作ることをおすすめします。
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